人事・労務の専門家「社会保険労務士」になる

社会保険労務士は独占業務もある国家資格です。労務管理の専門家として中小・小規模企業を支援するという選択を検討している方もいるのではないでしょうか。試験を突破して次の一歩を踏み出しましょう。

社会保険労務士とは

　社会保険と共に労働に関係する法律について精通している専門家が社会保険労務士であり、同名の国家資格を有する者のみが業務に従事できます。

　有資格者が専門的に取り扱う法律としては労働基準法や労災保険法、雇用保険法や健康保険法があり他にも労働契約法や男女雇用機会均等法、育児介護休業法などが挙げられます。

　世の中に存在し事業を行っている企業は様々な法律を正確に取り扱いしつつ事業経営をする必要があるものの、各法律の内容は専門性が高い上に高い頻度で法改正も行われている特性上、手続きが複雑です。

　そのような、しっかりと守る必要があるのにも関わらず専門性が高かったり高い頻度で法改正が行われている状況下で活躍するのが社会保険労務士であり、有している専門知識を活用して各企業が法律に則った雇用をきっちりと行えるようにサポートします。

　開業または社会保険労務士法人で働いている社会保険労務士は、事業主に対してアドバイスまたはコンサルティング、手続きの代行業務などを行う事例が多いですが、個人を対象に年金に関係する相談を受けるケースもあります。

　また、勤務社労士として、一般企業の総務部もしくは人事部などで働く事もあります。一般企業で働く事例では資格を活用して自社における関連業務を担います。

　なお、社会保険労務士会に登録しなければ、開業・勤務ともに社会保険労務士を名乗ることはできません。

　社会保険労務士になるためには、ステップを細やかに区切って1つずつ着実に達成していくのがポイントで、特に初期段階の目標になるのが国家試験に合格する事です。

　社会保険労務士として働くには同名の国家資格を有する必要があるので、国家試験を受けて合格し有資格者になる必要があるのですが、受けられるのは学歴または実務経験、他の国家試験のいずれかを満たしている方のみです。

　そのため学歴については大学もしくは短期大学、高等専門学校を卒業している事が条件になり、学部と学科については取り分けて定められていないものの法学を学んだ経験があれば対策になります。

　数ある資格の中でも特に難関であるのも特徴的ですが、難関資格を手にした後にも実際に現場で活躍できるようになるには、十分に経験と知識を得ておく必要があります。

　社会保険労務士として働くには、2年以上にわたって実務経験を積んだり、定められている講習を全て受けて名簿に登録してもらわなければならないのに加え、資格取得後に開業する場合には、競合他社よりも秀でた特色をだしていかなければなりません。

　また、社会保険労務士法人の求人に対して応募する有資格者の方が多いと言われています。

　取得した資格を活かして一般企業における人事部もしくは総務部、コンサルティング会社にて勤務をする方も稀有ではありません。

　レベルが高い試験だからこそ、合格をするには長い時間を用いてじっくりと勉強するのが重要ですし、合格までに数年間の計画を立てて取り組む事例も珍しくありません。