
ある支援先の話です。ただ、法的には弁護士による退職代行かどうかでも違ってきますし、引継ぎが必要な場合は手も考えられるでしょう。あくまで冷静に対応を考えることが重要です。
ある日の連絡

ある日、業務中に突然、Aさんのもとに一通の連絡が入りました。
内容は、部下が「退職代行サービスを通じて退職する」というものでした。
正直、最初は非常に驚きました。まさか自分のチームのメンバーが、直接の相談もなく退職代行を使って辞めるとは思っていなかったからです。
戸惑いもありましたが、感情的に反応しても状況は変わらないと自分に言い聞かせ、何よりもまず冷静に対応することを第一に考えました。
確認することが大事
まずAさんが行ったのは、退職代行業者から届いた書面やメールの内容を丁寧に確認することでした。
そこには退職希望日や、本人からの連絡は受けられない旨、また貸与物の返却方法など、詳細な指示が記載されていました。
こうした場合、本人に無理に連絡を取ろうとするとトラブルに発展しかねないため、「連絡を控えてほしい」と明記されていれば、その指示に従うことが大切だと考えました。
直接話して気持ちを確かめたくなるのが人情ですが、ここは上司として節度ある行動を心がけました。
次に、社内の人事部門と連携を取りました。
退職に必要な正式な手続きを漏れなく進めるためです。
離職票の作成や最終給与の精算、社会保険の手続き、会社から貸与していた備品や制服、セキュリティカードなどの返却に関する対応についても、人事と相談しながら進めました。
特に貸与物については、本人から直接受け取ることができない場合を想定し、業者を通じて郵送での返却を依頼する形をとりました。
感情的な対応を避け、手続きの透明性と正確さを確保することで、後々のトラブルを防ぐよう努めました。
周りへの影響も考えた
また、チームの雰囲気への影響も見逃せない点でした。
突然の退職、それも退職代行というかたちでの離脱は、他のメンバーにも少なからず動揺を与えます。
そこでAさんは、チーム内に向けて一言声をかけるようにしました。
「突然のことで驚いたかもしれないが、会社としてはきちんと対応しているので、心配しないでほしい」と伝え、今後の業務に支障が出ないよう、少しでも安心してもらえるように配慮しました。
法的にはいろいろな手は打てる
今回はあくまで組織としての対応としてとったことのご紹介になりますが、法的には、弁護士による退職代行かどうかでも違ってきますし、引継ぎが必要な場合は手も考えられるでしょう。
今回のまとめ(正解?最適解?答えは対応の分だけある)

今回の件を通じて感じたのは、「退職代行を利用されたとしても、あくまで冷静に、事務的に対応すること」が何よりも重要だということです。
背景には、本人なりの事情や悩みがあったのかもしれません。突然の辞め方に驚きや寂しさはありましたが、だからといって感情的になっても、結果的に誰も得をしません。
むしろ、誠実にプロセスを進めることで、本人に対しても、残されたチームに対しても、社会人としての信頼を守ることができるのだと思います。
退職代行という制度が広がる中で、管理職もそれを「特殊な例」とせず、ひとつの現代的な選択肢として受け止め、必要以上に否定せずに対処する姿勢が求められていると感じました。
今後もこうした場面に遭遇するかもしれませんが、その都度、冷静に、そして丁寧に向き合っていくことが大事なのだと思います。



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