人が足りないと言われる現状で、人材を確保していくための1つとして福利厚生の充実も必要かもしれません。自社内で検討するだけでなく、外部サービスを活用することで福利厚生の充実に繋がることもあります。
ある会社の事例
私の関与先の会社には、100名程度の社員が在籍しています。照明器具の卸業を担っているのですが、配送や設置など外部委託することがなく自社社員で全て賄っています。
営業マンが販売や配送、メンテナンスに照明器具の設置、デザインプランなどを担い、他の照明器具メーカーや商社よりも営業マンが担う業務は多岐であると言えます。
多忙を極める一方で、顧客からは最初から最後まで手厚いサポートと親身な対応が好評であり、業績は順調でした。
景気が低迷し、給与所得も低いと言われるなかで、安定的に給与アップも見込まれ、社員一人一人も満足して働いていると思っていたのです。
従業員の満足度が想定と違った
総務課の社員は「中小企業ではあるものの、給与ベースもほかの中小零細企業よりも良く、社員は非常に満足して働いており、あまり不平不満は持っていない」と信じて疑いませんでした。
ところが、ある時、若い人の退職が相次ぎ、また求人票を出してもほとんど人が集まらないといった事態に見舞われたのです。
これほど業績の良い会社でどうして人が集まらず、また若い人の退職が相次ぐのかわからず、総務課としては従業員にアンケートをとり、会社に改善してほしい事や要望を聞くことにしました。
するとアンケートでよく見られたのが、従業員の福利厚生があまり充実していないとの回答が多く、それが会社離れや人が集まらない要因の一つになって居たことに気づかされたのです。
「従業員をこき使う割に、企業としての還元やねぎらい、サービスが見られない」との辛辣な回答もあったそうです。
そこで総務課としては従業員の福利厚生を充実させるべく、アウトソーシングに頼ることにしたのです。
福利厚生のアウトソーシングサービス
最初は宿泊施設やレストラン、レジャー施設にフィットネスなどで幅広いメニューが割引料金で利用できるようなアウトソーシングを使うことにしました。
ところが、沢山様々な施設で割引料金で使えるというメリットがあるものの、実際にはそれを使う人が少なく、企業負担も相当かかってしまうデメリットも見られたのです。
実際こうした福利厚生のアウトソーシングがあっても、施設が家から遠かったり交通費が掛かる等で、実質はあまり割引価格で利用できていないことも多いことも判明したのです。
仕事の都合上、なかなか休みを取れ素に利用できないとの声も聴かれるようになりました。
自社に適したサービスを導入する
そこで総務課としては考えを改めて、健康面や食事面に配慮して飲食店やカフェで使えるポイント配布の制度を取り入れたのです。
これであれば、わざわざ施設を予約し出かける必要もなく、充実した福利厚生を受けられることに成ります。
ランチが(限度額は有るものの)会社負担で食べられるとして非常に好評でした。
しかも、会社に勤める従業員全員がほとんどこのポイント制の福利厚生を利用してくれる結果と成り、対外的にそして求人の面でも、この福利厚生は魅力的であると評価されるようになったのです。
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